ネズミ 多様な被害とその対策


ネズミ類は、古くからヒトの暮らしに関わっていました。伝染病の媒介者として扱われることは拍なりましたが、今日でも食中毒を起こすサルモネラなどの細菌類を運び、一般家庭や飲食店でしばしば問題になっています。狭い隙間から侵入できること、学習能力があることなどから、根絶が難しい有害生物です。電線をかじって漏電させて、火災の原因になった事例も知られています。日本では主に、ハツカネズミ、クマネズミ、ドブネズミの3種類が問題になります。それぞれの種類は、生態や薬剤に対する抵抗性が異なり、十分に生息状況を調べた上で、対策を立てる必要があるます。

対策は「侵入経路の閉鎖」、「トラップ類での捕獲」が基本です。補助的に殺鼠剤や忌避剤を使用する場合もあります。

ネズミ類は、労働安全衛生法、建築基準法、下水道法、食品衛生法、伝染病予防法など、多くの関係法令で対策や駆除が義務付けられています。


家屋でよく問題になるネズミの種類


ハツカネズミ

 

体長6~9㎝

尾長5~10㎝

尾率0.8~0.9

体重は15~25g、体色は褐~黒色。クマネズミの幼獣に似るが後足が短い。

広範囲に分布して、寒冷な地域でも見られる。田畑や草地に侵入しやすい。登攀能力はあるが、電線を伝う行動はあまりしない。穀類や昆虫を好む。

クマネズミ


体長18~24㎝

尾長17~26㎝

尾率0.9~1.4

体重は約200g、体色は褐~黒色。尾が長い。

温暖な場所を好み、市街地のビルや地下街に多い。登攀能力が強く、配管や電線を伝って活発に移動する。雑食性で、電線などもかじり問題になる。


ドブネズミ


体長22~26㎝

尾長18~22㎝

尾率0.7~0.9

体重は約300g、体色は灰褐色。耳を前に倒して目に届かない。

河川、泥沢池、海浜の近くで、土中に営巣することが多い。登坂能力が低いため、天井裏などに侵入することは稀。泳ぎが得意。家屋で見られるネズミでは最大。魚介類を好む。




ネズミ用トラップ

 

粘着版を一度に多数設置する方法は、高い駆除効果が得られます。

危険な物質を使用しない安全な方法です。

 

ドブネズミには昔ながらのカゴワナが有効的です。


       微粒子による衛生管理

 

          微粒子によるULV(高濃度少量散布)はネズミ防除でよく併用されます。

       主な使用目的は、ネズミの体表から分散するイエダニの駆除、

       排泄物の悪臭除去、殺菌処理などです。